火星シリーズの話
このブログを長らく更新しないまま、久々に更新したとおもったら、エロとは全く関係無い話で「どういうことだ!」とお怒りの声が聞こえてきそうだが、まあまあそこはご勘弁を。最近とあるソーシャルネットで知り合ったアフリカ人女性といい仲になりそうで、うまくすればセックスまで持ち込めそうなのだ。そうしたらその体験談を書こうと思っている。
さて、火星シリーズとは20世紀初頭にエドガー・ライス・バローズ(Edgar Rice Burroughs)によって著された冒険SF活劇小説だ。数年前に「ジョン・カーター」という映画が公開された事を覚えている方もおられると思うが、その原作だ。
かいつまんで内容を話すと、時はアメリカ南北戦争終結後、南軍騎兵大尉ジョン・カーターがなにやら幽体離脱と瞬間移動を合わせたような方法で火星に行き、そこで地球人の筋力と敏捷性を活かし(火星の重力はほぼ地球の半分だ)、獰猛な6肢をもつ緑色人や、地球人そっくりの赤色人の間で冒険を繰り広げ、最後は赤色人のヘリウム帝国の王女、デジャー・ソリスと恋に落ち、結ばれるという筋書きだ。かなりはしょっているので、詳しくは今でも創元SF文庫から出ている翻訳が入手可能なはずなのでそちらを読んでいただきたい。
この火星シリーズ、私が出会ったのはまだ小学校在学中(もっと簡単に三文字で言えば良いのだがマヌケなことに利用規約違反の単語になるのだw)のころで、『文芸春秋デラックス 宇宙SFの時代』の紹介記事を読み、書店で第一巻『火星のプリンセス』を購入したのがきっかけだ。読み始めたらこれが面白いのなんの。寝る間も惜しんであっという間に読み終えてしまった。それから小遣いをもらう都度巻を買い進め、全11巻揃えるのにさほど時間はかからなかったとおもう。ちなみに今出ている版は当時の3巻を1巻にまとめた合本版で全4巻になっている。
月日が経って、一度英語版の原書に挑戦しようと思っていたのでアマゾンで探してみるも、ペーパーバックはことごとく絶版になっていた。そのなかにキンドル版で全巻揃99円というのを見つけた。古書で全巻揃えるよりもこちらの方が圧倒的に安いし、随所に初版のイラストも入っているというではないか。これは買いだ。キンドルは持っていなかったが、Androidアプリにキンドルフォーマットの書籍を読むアプリがあった事を思いだし、早速インストールして、件の全巻セットを購入した。
読み始めてみると、あることに気づいた。文章が非常に読みにくいのだ。バローズの文章が下手という訳ではない。今の学校英語の文法で解釈しようとしてもできないレトリックやら、今とは使い方が異なる単語の用法がしょっちゅう出てくるのだ。それゆえに読みにくい。
19世紀終わりから20世紀初頭の英語がそうだったという訳ではない。ハワード・フィリップス・ラブクラフトとかコナン・ドイル、あるいは当時のオカルティストなど、時代が近い作者の文章を英語で読んでもこれほど読みにくい事はなかった。
ははーん、バローズは相当きどった文章を書いたのだなと、最初はそう思っていた。しかしそれだけではなさそうだと、すぐに気づいた。文語、つまり日本でいえば、わかりやすく言うと古文や漢文でしか使わない単語が頻繁に出てくるのだ。こりゃどうもレトリックだけの話ではないぞ。
そこで例のアフリカ人女性の登場である。この子の母国はかつてイギリスの植民地だったので、英語が公用語なのだ。彼女はこの文章を一目見るなりこう言った。
「これはかなり古い英語よ。20世紀始めの作家と言ったけど、もっと古いわね。」
「というと、19世紀始めから中頃?でもコナン・ドイルだってこんな文章じゃなかったような。」
「いえ、もっと昔。」
「じゃ、シェイクスピア時代とか?」
彼女はそこで手を叩いた。
「そう、まさにそう。あたし高校の時にシェイクスピア購読の授業を取っていたんだけど、まさにシェイクスピアの文章を読んでいる感じだわ。」
どうりで読みにくい訳だ。日本でいえば、明治の文豪が美しい調子を出すために古文調、漢文調で書いた文章のようなものだ。こういうのを明治美文調というのだろうか。『舞姫』あたりを考えれば、当たらずと言えども遠からずだろう。
そんな訳で、火星シリーズに興味を持って、原書で英語を勉強しようとしている人がいたら、やめときなさい、と言っておこう。今の英語とは違うし、バローズの時代に話されていた英語とも違うので、火星シリーズで覚えた英語をそのまま話しても通じません。
もちろん、勉強ではなく、古い英語で書かれている事がわかったうえで、原書に挑戦してみようというのであれば、それは問題ないだろう。
という事で今回は全くエロ無関係の話でした。とはいえ火星シリーズに出てくる美女といえば、皆ほぼ全裸に装身具を纏っているだけといういでたちなので、エロといえなくもないか。
ちなみに、翻訳本は、原文が古い英語で書かれているからと言って文語訳されているわけではないのでご安心を。
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さて、火星シリーズとは20世紀初頭にエドガー・ライス・バローズ(Edgar Rice Burroughs)によって著された冒険SF活劇小説だ。数年前に「ジョン・カーター」という映画が公開された事を覚えている方もおられると思うが、その原作だ。
かいつまんで内容を話すと、時はアメリカ南北戦争終結後、南軍騎兵大尉ジョン・カーターがなにやら幽体離脱と瞬間移動を合わせたような方法で火星に行き、そこで地球人の筋力と敏捷性を活かし(火星の重力はほぼ地球の半分だ)、獰猛な6肢をもつ緑色人や、地球人そっくりの赤色人の間で冒険を繰り広げ、最後は赤色人のヘリウム帝国の王女、デジャー・ソリスと恋に落ち、結ばれるという筋書きだ。かなりはしょっているので、詳しくは今でも創元SF文庫から出ている翻訳が入手可能なはずなのでそちらを読んでいただきたい。
この火星シリーズ、私が出会ったのはまだ小学校在学中(もっと簡単に三文字で言えば良いのだがマヌケなことに利用規約違反の単語になるのだw)のころで、『文芸春秋デラックス 宇宙SFの時代』の紹介記事を読み、書店で第一巻『火星のプリンセス』を購入したのがきっかけだ。読み始めたらこれが面白いのなんの。寝る間も惜しんであっという間に読み終えてしまった。それから小遣いをもらう都度巻を買い進め、全11巻揃えるのにさほど時間はかからなかったとおもう。ちなみに今出ている版は当時の3巻を1巻にまとめた合本版で全4巻になっている。
月日が経って、一度英語版の原書に挑戦しようと思っていたのでアマゾンで探してみるも、ペーパーバックはことごとく絶版になっていた。そのなかにキンドル版で全巻揃99円というのを見つけた。古書で全巻揃えるよりもこちらの方が圧倒的に安いし、随所に初版のイラストも入っているというではないか。これは買いだ。キンドルは持っていなかったが、Androidアプリにキンドルフォーマットの書籍を読むアプリがあった事を思いだし、早速インストールして、件の全巻セットを購入した。
読み始めてみると、あることに気づいた。文章が非常に読みにくいのだ。バローズの文章が下手という訳ではない。今の学校英語の文法で解釈しようとしてもできないレトリックやら、今とは使い方が異なる単語の用法がしょっちゅう出てくるのだ。それゆえに読みにくい。
19世紀終わりから20世紀初頭の英語がそうだったという訳ではない。ハワード・フィリップス・ラブクラフトとかコナン・ドイル、あるいは当時のオカルティストなど、時代が近い作者の文章を英語で読んでもこれほど読みにくい事はなかった。
ははーん、バローズは相当きどった文章を書いたのだなと、最初はそう思っていた。しかしそれだけではなさそうだと、すぐに気づいた。文語、つまり日本でいえば、わかりやすく言うと古文や漢文でしか使わない単語が頻繁に出てくるのだ。こりゃどうもレトリックだけの話ではないぞ。
そこで例のアフリカ人女性の登場である。この子の母国はかつてイギリスの植民地だったので、英語が公用語なのだ。彼女はこの文章を一目見るなりこう言った。
「これはかなり古い英語よ。20世紀始めの作家と言ったけど、もっと古いわね。」
「というと、19世紀始めから中頃?でもコナン・ドイルだってこんな文章じゃなかったような。」
「いえ、もっと昔。」
「じゃ、シェイクスピア時代とか?」
彼女はそこで手を叩いた。
「そう、まさにそう。あたし高校の時にシェイクスピア購読の授業を取っていたんだけど、まさにシェイクスピアの文章を読んでいる感じだわ。」
どうりで読みにくい訳だ。日本でいえば、明治の文豪が美しい調子を出すために古文調、漢文調で書いた文章のようなものだ。こういうのを明治美文調というのだろうか。『舞姫』あたりを考えれば、当たらずと言えども遠からずだろう。
そんな訳で、火星シリーズに興味を持って、原書で英語を勉強しようとしている人がいたら、やめときなさい、と言っておこう。今の英語とは違うし、バローズの時代に話されていた英語とも違うので、火星シリーズで覚えた英語をそのまま話しても通じません。
もちろん、勉強ではなく、古い英語で書かれている事がわかったうえで、原書に挑戦してみようというのであれば、それは問題ないだろう。
という事で今回は全くエロ無関係の話でした。とはいえ火星シリーズに出てくる美女といえば、皆ほぼ全裸に装身具を纏っているだけといういでたちなので、エロといえなくもないか。
ちなみに、翻訳本は、原文が古い英語で書かれているからと言って文語訳されているわけではないのでご安心を。
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